お知らせ

お知らせ :多忙のため更新が遅れてます。動物雲のホームページにでも来てください。

自然な雲が見せるアート!「雲の動物園」 → https://sites.google.com/site/cloudanimalzoo/

2011年7月27日水曜日

屋根の上に登る日本が誇る伝統と、「雲景」写真。

エッセイ 第2話

『今日は、何だか綺麗な夕焼けになりそう。』そんな予感がしました。
飲み物持って、出掛けましょうか。楽園へ。


昭和の時代のドラマや漫画に、よく主人公などが屋根に登って星を
見たり、二人で夕日や花火を見ながら話したり、猫と過ごしたりする
場面がありましたよね。

アレって平屋が多かったし、兄弟が多くて自分の居場所が無かったり、
親に怒られたり失恋したりして、泣いている所を見られたくなかったりと、
一番身近な現実逃避場所だったのが理由なのでしょうか。

今なら、父親の部屋が無くても子供の部屋はあるし、兄弟も少ないし、
家電(イエデン)使わなくても、携帯でいくらでも愚痴を聞いてくれる友達
もいるし、ネットで晒して笑い飛ばす事も出来ますよね。

 「今日は綺麗」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm) f10.6 s1/470
(クリックで拡大、1200×800)
(フォト:1)22日、久しぶりに綺麗な夕日が出ました。細長い黒雲の下を
通る光も良い感じです。
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でも、今でも屋根に登るのって、チョッと憧れですよね。私の子供の頃に
住んでいた家は平屋でしたが、瓦が戦後の品質の良くない時代のセメント
瓦だったので、親に絶対登っては駄目と言われていました。

実際の話、大きな桃の木が庭に有ったのですが、その実が屋根に落ちると
その瓦が割れる音がしました。そんな訳で、その憧れが実現できたのは、
中学生になる前に家を建て直した後でした。

二階のベランダに有る物干し台をよじ登り、初めて上がった時の感動は、
それはそれは開放感がイッパイでした。学校の屋上では味わえない恐怖と
柵の無い風通しの良いサッパリ感が最高でした。


 「雲がシマシマに」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm) f9.5 s1/362
(クリックで拡大、1200×800)
(フォト:2)その光が段々と黒雲をシマシマにして行き、何やらどこかで見た
ような海産物に見えて来ました。
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写真撮影は、小学生から暗室作業をするくらい好きでしたが、中学生になり
作品制作を考えるようになった時に、最初に出会った題材が「雲景」でした。

友達たちは、みんな写真と言えば鉄道写真で一色の時代、私も何度か付き
合って車両区に行ったり、SLを撮ったりしましたが、私が目覚めたのは、雲の
変幻自在の姿と、光線具合で変わる錦の色でした。

釣りはヘラに始まりヘラに終わると言いますが、(諸説有)私的には、写真は、
「雲景」に始まり「雲景」に終わるのだと、この時に悟りました。(どんな中学生?)



 「車えび雲に」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(28mm)  f8.2 s1/279
(クリックで拡大、1200×800)
(フォト:3)これはどう見ても、あの車エビではありませんか。シマシマ具合と
いい、ヒゲのツンツン具合といい、その「短足」をバタバタさせて天に昇るような
お姿です。
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しかし、ベランダの雨漏りを止めるために、屋根を付ける事になり、私の悟りの
楽園は、あえなく閉園となりました。その後は旅の写真を撮ったり、水中写真を
始めたりで、楽園に戻るのは、だいぶ先の事でした。

会社を辞めてフリーになった頃、長年屋根の塗り替えを頼んだ大工が、高額な
修理代を請求するので、私が代わりに作業するようにと親が言って来ました。

長梯子が無いので、ベランダ外側に脚立を縛り付けて、恐々登ったそこは、
あの悟りの楽園でした。(「お帰り!」との空耳が聞こえました。)

何とか楽に登り降りが出来るようにと、ベランダ屋根の一番上を開閉式に
改造して、楽園への階段を確保しました。

それからは、マメにペンキの塗り替えをしたり、隅田川の花火大会を見たり、
(第一・第二会場とも遠いですが、尺玉クラスは、ビルの間から見えます。)
夜の流れる雲をいつまでもいつまでも眺めたりしました。特に台風前の不安
定な天気の中、どんどん流れて行く雲に心がときめきます。嵐の前の静けさ
と躍動感に。(真上を通り過ぎる雲は神秘的ですよ。)



「下には子えび達も」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm) f7.1 s1/197
(クリックで拡大、1200×800)
(フォト:4)よく見ると、お腹の下辺りにも子エビ達が、バタバタしております。
とんだ親子の競演を堪能した夕方のひと時でした。
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傾斜の緩やかなトタン屋根の我が家の楽園は、時には客人の接待や、近所の
子供達の花火見物の場としても活躍致します。

視界を遮る物の無い屋根の上で、流れる雲を眺めつつ何度もそのまま寝て
しまった事もあります。そして最近ここから撮った写真のホームページも作り
公開しております。(勢い余って、本当にスピンアウトして作ってしまいました。)

勿論カメラは、我がS1Proです。細やかな雲のトーンは、その画素数の少なさ
から、お世辞にも綺麗ではありませんが、フィルムぽいザラザラ感を楽しんで
頂けたら幸いです。

雲の動物園 Cloud Animal https://sites.google.com/site/cloudanimalzoo/


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撮影記:

我が家の楽園には、よく色々な動物雲が尋ねて来てくれます。大物が多いので
皆さんは道を歩いていて全体像が見えず、気が付かないと思います。
車えびの家族も、そんな大物のメンバーです。

チョッと見る場所が違うだけでも全然違うものに見えますし、その美形は一瞬です。
一期一会の出会いと別れ。そんな重たい関係ではなく、ただ楽しむだけが最高の
心構えかも知れません。

最近、近所のビルが解体されたので、何十年ぶりに楽園から東京タワーが見える
ようになりました。

その遠いお姿は、やはり昭和の顔だな~と思います。そこから東に目を向けると
昇竜中のスカイツリーが、マンションの上からこちらを見ています。
これからの動物雲フォトにも登場するかも知れない、新しい楽園の仲間です。






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2011年7月14日木曜日

デジアナ合体、二人羽織メカ。

エッセイ 第1話

『よし、今日から撮り始めましょう。』老体に鞭打って、最後の大仕事。
思い残す事の無いように、無理せず、騙しだましでユックリと。
S1Proの再出発です。



 デジタルカメラとのお付き合いは、フィルムカメラの「それ」とは違い、
ある日突然お別れが出来たりもする、家電的なドライな関係ですよね。

携帯電話のように電波が繋がらなくなる訳ではないのですが、移り気な
私達は、より高性能で小型軽量でスタイルの「良い子」に心引かれます。

自ずと昨日までの「ご愛用」は、下取り・お下がり・オークション・転売
などのルートをへて、最後は中古ワゴンセールの「山の賑わい」へ。

フィルムカメラのように、プレミアが付く事もなく、寂しく忘れられて行き
ます。

「クラゲ雲」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(28mm)  f10.1 s1/431
(クリックで拡大、1200×800)

(フォト:1)今日の夕暮れ。お気に入りの屋根の上、何も遮るものが無い
天頂には、まある~い大渦雲がとぐろを巻いていました。もう台風の
影響ですかね。。。
そのミズクラゲの傘と生殖巣ような、渦の真ん中を写した一枚です。

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 2000年に発売された「S1Pro」は、普及型一眼デジタルを目指し、
フィルムカメラボディーにデジタル部を背負い込む、「二人羽織」的な
合体カメラです。

分解写真を見ると、殆ど連携メカの無い、「独立営業」な二つの機械で、
これで最先端の画像を出したとは。。。開発者は「凄腕外科医」では?

今見れば、過渡期ならではの試行錯誤の形です。

「銀腹飛行機」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm) f9 s1/332
(クリックで拡大、1200×800)

(フォト:2)その後、頭上に次々と旅客機が。。。丁度中国行きの便の
通り道らしく、毎日その光る腹を見せに来ます。

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 もう、とうの昔に仕事では使わなくなった「S1Pro」ですが、「半アナログ」
「半デジタル」なその両性体と、古時計のような妖姿で、いつの間にか
我が家の一員になっています。まるで「家になつく」、老猫のように。。。

「産卵雲」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm) f8 s1/256
(クリックで拡大、1200×800)

(フォト:3)そのまま西空に目をやると、お日様が沈む前なのに、雲に
隠れてしまいました。
その雲もまた、二匹のお魚が口を開けて寄り添うようなお姿。。。産卵中かな。

かなとこ雲って言うらしいですが、これはどう見ても、鮭が二匹ですよね。

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カメラの名を冠した不思議なこのブログですが、手の掛かる「愛猫」の
ような、その「生態」を時々綴りたいと思います。

「お月様、お出まし」
FinePix S1Pro Tokina28-70mm(70mm)  f8.2 s1/279
(クリックで拡大、1200×800)

(フォト:4)最後に東の空からは、「夜の顔役」が昇月。
さてだんな!円満顔で今夜はどちらにお出かけですか。。。

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撮影記:

上の4点は、日没時のほんの9分間の撮影です。
一度に色々な雲が見れたひと時でした。

写りは、昨今のデジカメのように、スッキリ綺麗な色で
はなく、何か古いカラーフィルムのような独特な濁りが
ステキです。
拡大すると粒々ノイズが銀粒子のようで、懐かしいです。

でも良い事ばかりではありません。
今回は、空ばかり撮って、失敗でした。久しぶりにフォトショで
ゴミ取り・ノイズ潰しをしました。

こんな事は、暫くやってませんでした。今のデジタルは手間
いらず。もう過去の作業です。
やっぱり手の掛かる「老猫」でしたね。






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